【3分で分かる】正しい歯みがきの基本「スクラッビング法」とは?

「毎日きちんと歯を磨いているのに、歯ぐきが腫れる」「検診で磨き残しを指摘される」
そんな経験はありませんか?
実は、多くの方が“自己流の歯みがき”になってしまっており、
力の入れすぎや、ブラシの角度の誤りで効果が半減していることがあります。
歯の表面にたまるプラーク(歯垢)を最も効率的に落とす磨き方のひとつが、
今回ご紹介する「スクラッビング法」です。
この記事では、歯科医院でも推奨されるこの方法について、
正しい磨き方のコツ・メリット・注意点・バス法との違いを3分で分かりやすく解説します。
スクラッビング法とは?
スクラッビング法とは、歯ブラシの毛先を歯の表面に直角(90度)で当て、小刻みに動かす磨き方です。
「スクラッブ(scrub)」という英語が「こすり洗いする」という意味を持つように、
歯の表面にこびりついたプラークをしっかりと除去することを目的としています。
歯科医院では、むし歯や歯周病の予防の基本として指導されることが多い方法です。
特に歯ぐきが健康な方、または予防歯科の段階にいる方には最適です。
スクラッビング法の磨き方(手順)
歯ブラシの持ち方

歯ブラシは“ペングリップ”で軽く持ちます。
鉛筆を持つように指先でコントロールすることで、力を入れすぎるのを防げます。
グーで握る「パームグリップ」は、力が強くなりすぎて歯ぐきを傷つける原因になるため注意しましょう。
当て方と動かし方


歯ブラシの毛先を歯の表面に垂直(90度)に当てます。
そのまま、小刻みに10〜20回ほど左右に細かく動かします。
動かす幅は1〜2mm程度が理想。
「ゴシゴシ」ではなく「サラサラ」と音がする程度の軽い力がポイントです。
歯と歯の間、歯ぐきの際など、細かい部分も意識して磨きましょう。
磨く順番のコツ

磨き残しを防ぐためには、磨く順番を毎回一定にすることが大切です。
たとえば、
- 上の奥歯の外側
- 上の内側
- 下の外側
- 下の内側
のように順に進めていくと、磨き忘れが減ります。
全体を5〜10分程度かけて、焦らず丁寧に磨くのが理想です。
スクラッビング法のメリットとデメリット
メリット
- 歯垢除去率が高い:歯の表面に垂直に当てるため、効率よくプラークを落とせる
- 短時間で結果が出やすい:初心者でも比較的簡単に習得できる
- 歯ぐきに負担が少ない:正しい力加減を守れば、歯ぐきを痛めにくい
特に、歯の表面に着色や汚れがつきやすい方、ブラッシング圧が強い方にはおすすめの方法です。
デメリット
- 歯周ポケットまでは届きにくい:毛先が歯ぐきの中まで届かないため、歯周病の進行期には不十分
- 歯ぐきの境目に汚れが残りやすい:角度を変えずに磨くと、歯と歯ぐきの隙間に磨き残しが出ることも
- 均一に磨くには慣れが必要:リズムよく動かすには少し練習が必要
バス法との違い
スクラッビング法と並んでよく聞くのが「バス法」です。
両者の違いを簡単にまとめると、次のようになります。
| 項目 | スクラッビング法 | バス法 |
|---|---|---|
![]() | ![]() | |
| 毛先の角度 | 歯面に対して90度 | 歯と歯ぐきの境目に45度 |
| 主な目的 | 歯の表面のプラーク除去 | 歯周ポケット内のプラーク除去 |
| 向いている人 | 健康な歯ぐきの方 | 歯周病予防・治療中の方 |
つまり、スクラッビング法は“歯の外側”をきれいにする基本の磨き方で、
バス法は“歯ぐきの中”をケアする応用法といえます。
歯ぐきが健康なうちはスクラッビング法で十分ですが、
歯ぐきから血が出る・腫れているときは、バス法を取り入れることでより効果的にケアできます。
まとめ:スクラッビング法で歯みがきの基本を見直そう

スクラッビング法は、正しい歯みがきの基礎をつくる最もシンプルで効果的な方法です。
力の入れ方や順番を意識するだけで、プラークの除去率がぐっと上がります。
ただし、歯ぐきの状態や磨き方の癖によっては、別の方法が合う場合もあります。
とくに「出血がある」「歯ぐきが下がってきた」という方は、
歯科衛生士に自分に合ったブラッシング法をチェックしてもらうのが安心です。
毎日のセルフケアに、正しい方法を取り入れることが、
虫歯も歯周病も防ぐいちばんの近道です。
画像出典:
日本歯周病学会が推奨する正しいブラッシング(歯磨き・バス法)youtube
日本歯周病学会が推奨する正しいブラッシング(歯磨き・スクラッビング法)youtube
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