「歯が痛い、虫歯かも…」そう思ったときに、まず知っておいてほしいこと
「最近、冷たいものがしみる」
「噛むとズキっとする」
「でも、まだ我慢できるから様子を見ようかな…」
──そんなふうに“様子見”をしているうちに、虫歯は静かに進行していきます。
虫歯は放っておくと、神経の炎症 → 歯の根の感染 → 最終的には抜歯へと進んでしまう可能性があります。
そして、「以前治療した歯がまた痛む」「何度も虫歯を繰り返している」──という患者さんも少なくありません。
私は、虫歯こそ“やり直しのきかない病気”だと思っています。
だからこそ、早期発見と、できるだけ歯を残す精密な治療が大切なのです。
🦷 虫歯はどうしてできる?どこまで進行する?
虫歯は、口の中に存在する細菌(主にミュータンス菌)が糖分をエサにして酸を作り出し、その酸によって歯の表面のエナメル質が溶けてしまう病気です。
初期の虫歯は自覚症状がほとんどありませんが、進行するにつれて歯に穴が開き、痛みやしみる症状が現れてきます。
虫歯の進行段階は、一般的に以下のように分類されています。
C0:ごく初期の虫歯(脱灰)
歯の表面に白く濁った部分が現れます。まだ穴は開いておらず、削る治療は不要です。
この段階では、フッ素塗布や正しいブラッシングで進行を防ぐことが可能です。
C1:エナメル質の虫歯

歯の最表層であるエナメル質に小さな虫歯ができています。痛みはほとんどありませんが、早めの治療が望まれます。
C2:象牙質まで進行した虫歯

エナメル質の下にある象牙質まで虫歯が進んでいます。冷たいものや甘いものがしみることがあります。
C3:神経(歯髄)まで進行した虫歯


虫歯が歯の神経まで達し、ズキズキとした強い痛みが出ます。神経の治療(根管治療)が必要になります。
C4:歯冠部が崩壊した重度の虫歯


歯の大部分が溶けて崩壊し、保存が難しくなります。場合によっては抜歯が必要になることもあります。
虫歯は放置するとどんどん進行し、治療が複雑になったり歯を失うリスクが高まります。
早めの受診と適切な治療で、大切な歯を守りましょう。
当院では、マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を活用した精密根管治療を行っており、これまで「抜歯しかない」とされたような重度の虫歯でも、歯を残せる可能性が広がっています。
進行した虫歯は「治して終わり」ではありません
虫歯の治療は、ただ削って詰めるだけではありません。
大切なのは、再発を防ぎ、長く健康な歯を保つことです。
当院では、以下のポイントを重視しています。
①必要最小限だけ削る「低侵襲治療」
虫歯を削る量はできるだけ抑え、健康な歯を残すことを第一に考えています。
➁ラバーダムによる感染コントロール
治療中に唾液などの細菌が治療部に入るのを防ぎ、成功率を高めています。

③マイクロスコープを使った精密な処置
虫歯の取り残しや歯の微細な破折を見逃さないよう、肉眼では見えない部分まで拡大し確認。歯をできる限り残す“精密かつ丁寧な治療”を心がけています。

④再発リスクを抑える素材選び
当院では開院以来、一貫してメタルフリー素材による虫歯治療を行っており、金属アレルギーの心配が少なく、見た目も自然な治療を大切にしています。

⑤痛みに配慮した無痛麻酔
患者さんの負担を減らし、安心して治療を受けていただけるよう心がけています。
虫歯治療は、「治療した歯を繰り返し再治療する」という悪循環に陥りやすいものです。
だからこそ、精密な診断と丁寧な治療、そして予防への取り組みが欠かせません。

虫歯を繰り返さないために
虫歯治療が終わっても、再発を防ぐためのケアが非常に重要です。
以下のポイントを意識して、健康なお口を維持しましょう。
①正しいブラッシング習慣

毎日の丁寧な歯磨きは、虫歯予防の基本です。
特に歯と歯の間や歯と歯ぐきの境目を意識して磨きましょう。
➁定期的な歯科検診とクリーニング

専門家によるクリーニングで、歯垢や歯石を除去し、虫歯や歯周病の早期発見につなげます。
③食生活の見直し
砂糖や酸性の飲食物を控えめにし、バランスの良い食事を心がけましょう。
④フッ素塗布やシーラントの活用

フッ素は歯の再石灰化を促し、虫歯になりにくい歯を作ります。
シーラントは、奥歯の深い溝を樹脂でふさぐことで、食べかすや汚れがたまりにくくなる予防処置です。
歯ブラシの毛先が届きにくい部分をあらかじめカバーすることで、虫歯を防ぐ効果が期待できます。
丁寧なカウンセリングで、納得のいく治療を
グランティース武蔵小山歯科では、治療前に十分なカウンセリングを行い、
お一人おひとりに合った治療計画をご提案しています。
大切な歯だからこそ、じっくり考えて納得のうえで治療を進めていきましょう。