「ある日突然ポロッと…」そんな経験ありませんか?
「ご飯を食べていたら詰め物が取れてしまった」
「しみるけど、そこまで痛くないから様子見してる」
こうしたご相談は、実はとても多くあります。
取れた詰め物の下で、虫歯が再発していたり、歯が割れていたりすることもあります。
一見「そのまま戻せそう」に見えても、中で状態が悪化している場合もあるため、早めの受診が大切です。
詰め物が取れる原因とは?

急に取れたように感じても、実はこれまでのダメージや劣化が蓄積し、ふとしたきっかけで外れてしまうことが多くあります。
詰め物(インレーやレジンなど)が取れる原因はいくつか考えられますが、それぞれの原因によって適切な処置や治療方針が異なります。
✅ 虫歯の再発
詰め物のすき間に細菌が侵入し、中で虫歯が再発していたケースも少なくありません。
詰め物が取れて初めて、深い虫歯に気づくこともあります。
✅ 噛み合わせや歯ぎしりの影響
咬合圧(噛む力)が一部の歯に集中していると、詰め物に過度な負担がかかり、脱離しやすくなります。
歯ぎしりや食いしばりの癖がある方も、詰め物が取れやすい傾向にあります。
✅ 接着剤の劣化や咬み合わせによる消耗
詰め物は、歯科用の接着材によって歯に固定されていますが、毎日の咬み合わせや食事による力の繰り返しで、少しずつ消耗していきます。
時間の経過とともに、接着剤が劣化したり、歯や詰め物とのすき間ができてしまうことで、取れてしまうことがあります。
特に、保険の銀歯などは劣化しやすく、長期間使用していると脱離のリスクが高くなります。
詰め物が取れたとき、どんな治療が必要?

詰め物が取れたからといって、必ずしも「再接着」で済むとは限りません。取れた理由によって、最適な処置は異なります。
✅ 詰め物を再接着できるケース
・詰め物が割れていない
・虫歯の再発や歯の破損がない
・取れた部位が清潔に保たれている
→ このような場合は、再接着のみで対応可能なこともあります。
✅ 新しく作り直す必要があるケース
・歯の内部で虫歯が再発している
・詰め物が変形・破損している
・詰め物と歯の間に段差やすき間ができていた
・咬み合わせが変化している(強く当たる部位がある など)
→ このような場合は、虫歯治療をやり直したうえで、新しい詰め物(インレーなど)を作製します。
素材の選択によって、今後の再発リスクを大きく下げることも可能です。
再発を防ぐために──精密な診査・治療が大切です
詰め物が取れてしまった原因の多くは、見えないところで虫歯が再発していたり、詰め物の適合精度に問題があるケースです。
再び同じトラブルを繰り返さないためには、精密な診査と再発予防を見据えた治療計画が欠かせません。
✅ マイクロスコープによる精密診査

肉眼では見えにくい細かい部分(虫歯の取り残しや歯の亀裂など)も、拡大視野で正確に確認・除去することができます。
✅ ラバーダムを使った治療環境の整備

唾液や細菌の侵入を防ぐゴム製シート(ラバーダム)を使用し、再感染のリスクを最小限に抑えながら治療を進めます。
このように、ただ「詰め物を戻す」だけでなく、原因を見極めて根本から対処することが大切です。
適切な治療選択で、再発を防ぎましょう

詰め物が取れた場合でも、再接着で済むケースもあれば、新しい補綴物の製作や、根の治療が必要となる場合もあります。
当院では、再発を防ぐための治療精度と素材選びにもこだわっています。
- 虫歯の再発、被せものの破損や咬合の変化がなく、清潔に保たれている →再接着
- 小さな虫歯や欠け → 部分的な修復
- 虫歯が広がっていた場合 → セラミックなどによる再製作(メタルフリー)
- 歯の中まで感染していた場合 → 精密根管治療(マイクロスコープ+ラバーダム)
「見た目が気になる」「再発しない治療を選びたい」という方も、ぜひご相談ください。