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メタルフリー・審美治療

「金属の詰め物が目立つのが気になる」
「銀歯を白く自然な見た目に変えたい」
「将来の金属アレルギーが心配」

こうしたお悩みやご希望を持つ方が、年齢を問わず増えています。

保険診療で使われる金属(いわゆる銀歯)は、強度がある一方で見た目の違和感が大きく、また長期的には金属アレルギーや歯ぐきの黒ずみの原因となることが多くあります。

そのような背景から、金属を使わず、白く美しい歯を再現できる「メタルフリー治療」が注目されています。
特にセラミック治療は、見た目の美しさ・体へのやさしさ・高い耐久性を兼ね備えた治療法として、審美性と健康を重視される多くの方に選ばれています。

当院は、開院以来、メタルフリー治療ひとすじ。熟練した技工士との連携によって、色・形・透明感まで自然な仕上がりを追求しています。
「どこを治療したか分からないくらい自然」と大変喜ばれている治療のひとつです。

見た目の美しさだけでなく、長く安心して使える素材を選びたい──
そんなあなたのために、メタルフリー治療について詳しくご案内いたします。

目次

歯科金属治療の主な弊害✨

歯科金属治療では、以下のような弊害が報告されています。

項目内容
金属アレルギーのリスク口腔内の金属が唾液によりイオン化し、体内に吸収されることで、全身の皮膚にかゆみやかぶれ(掌蹠膿疱症など)が出る場合がある。
天然歯への負担金属は比重*1 が大きく、歯に負担がかかる。また、弾性係数*2が高く、しなりにくい。メタルコアによる歯の破折は複数の論文*で報告されている
審美性の問題銀歯などの金属は見た目に目立ちやすく、特に前歯に使用すると口元の印象が損なわれる。
歯ぐきの黒ずみ(メタルタトゥー金属が溶け出して歯ぐきに沈着することで、黒く見えることがある。審美的に問題視される。
経年劣化による腐食金属は時間の経過とともに腐食しやすく、金属イオンが溶け出すことで口腔内環境に悪影響を及ぼす。
適合性の課題金属は加工の際に微妙な誤差が生じやすく、また歯と機械的合着しているため、隙間からむし歯が再発する(2次カリエス)リスクがある。
温度変化への反応金属は熱伝導率が高いため、冷たいもの・熱いものに敏感になりやすく、しみるなどの違和感が出やすい。

当院では『メタルフリー治療』を継続・推奨しています。

メタルフリー治療の特徴と比較✨

🦷メタルフリー治療の特徴

1. 見た目が自然できれい✨

  • セラミックは天然歯に近い透明感や色合いがあり、審美性が非常に高いです。
  • 前歯だけでなく、奥歯でも白く自然な仕上がりが可能です。

2. 金属アレルギーのリスクなし✨

  • 保険治療の金属(銀歯)にはパラジウムやニッケルなどの金属が含まれ、アレルギーを引き起こすことがあります。
  • メタルフリーは金属アレルギーの心配がありません

3. 歯・歯ぐきへの影響が少ない✨

  • 金属は唾液との反応や経年劣化で黒ずみを引き起こすことがあります(歯ぐきの黒ずみや金属イオンの溶出)。
  • 金属は天然歯に比べて、比重が大きいという特徴があり、『金属結合』という特殊な結合をしています。(天然歯は、イオン結合・共有結合。)特に土台(コア)に金属を使ったケースでは、歯の破折が起こる危険性が非常に高くなります*3
  • 以上のことを避けるためには、天然歯を再現するように(歯髄、象牙質、エナメル質それぞれに近い歯科材料で)修復していくことが大切です。

4. 体への負担が少ない✨

  • 非金属素材は生体親和性が高く、口腔内環境に優しいといえます。
  • 長期的にみて身体への負担が少ないという特徴があります。

🦷レジン vs セラミック 〜メタルフリー素材の比較〜

メタルフリーの素材には、保険適用のものと自由診療(保険適用外)のものがあります。
保険適用では主に「レジン(樹脂)」が使用されますが、経年劣化しやすいため、数年で再治療が必要になるケースも少なくありません。
一方で、自由診療で使用される「セラミック」は、耐久性・強度・審美性に優れており、天然歯に近い見た目と機能性を備えています。

📝 メタルフリーで使われる主な素材

  • セラミック(陶材):自然な色調、審美性に優れています。セラミックの中にも種類があり、それぞれ特徴があります。
  • ハイブリッドセラミック:高密度樹脂とセラミックの混合素材、やや強度に欠けます。
  • 保険CAD/CAM冠:樹脂とセラミックの混合素材、強度に欠けます。適応部位に制限があります。
  • レジン:プラスチック(合成樹脂)の一種。強度に欠けます。保険適応。

🦷保険&自費のメタルフリー素材 比較表

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項目保険レジン(コンポジット)保険CAD/CAM冠ハイブリッドセラミックセラミック
材質樹脂(プラスチック)樹脂+セラミック微粒子高密度樹脂+セラミック微粒子セラミック
審美性★★☆☆☆★★★☆☆★★★★☆★★★★★
耐久性強度★☆☆☆☆★★☆☆☆★★★☆☆★★★★★
変色のしにくさ★☆☆☆☆★★☆☆☆★★★☆☆★★★★★
長期的安定性× 変色・劣化が起こりやすい△変色・劣化がある△ 劣化はあるが比較的長持ち◎ 変色なし。長期的安定性に優れる
保険適用保険適用条件付き保険適用自由診療自由診療
費用安価比較的安価中程度高額
金属アレルギー対応◎(なし)◎(なし)◎(なし)◎(なし)
修復(治療)のしやすさその場で修復可。
やや大きな虫歯は技工が必要
技工が必要修復(治療)には技術が必要修復(治療)には熟練した技術が必要
主な適応部位小さな虫歯修復小臼歯(条件ありで大臼歯)インレー・クラウン全ての補綴物(前歯・奥歯・ブリッジなど)

補足とまとめ✨

  • レジンは保険適用できるため費用を抑えたい人向けですが、変色・摩耗しやすく寿命は短めです
  • 保険CAD/CAM冠は、保険適用には「上下左右すべての歯が残っている」「大臼歯は特定条件下のみ」など制限があります。
  • ハイブリッドセラミックは耐久性・審美性はありますが、レジンが混在しているため、長期的には変色・劣化が起きます。
  • セラミックは人工エナメル質とも呼ばれ、美しさ・強さともに天然歯に近く、審美・長期安定性に優れています。
  • 長期的に見た審美性や再治療の少なさを重視するなら、セラミックがおすすめです。
  • 同じ歯への侵襲は3回が限度といわれています。同じ歯に対して何回も再治療をおこなうのは、将来的に歯の寿命を短くさせます。予後を考えて治療法を選択しましょう。

セラミックによる審美治療✨

ここからは、セラミックについて詳しくご紹介します。

🦷当院でおこなっているセラミック治療

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項目セレックイーマックス(e.max)ジルコニア
特徴CAD/CAMシステムで即日修復可能なセラミックガラスセラミックで、審美性に非常に優れている。強度が非常に高いセラミック
透明感・グラデーション色彩のグラデーションはつけられない自然なグラデーションを再現でき、美しい透明感に欠ける
審美性★★★★☆★★★★★★★★★☆
強度★★★★☆★★★★★★★★★★
硬度(HV)*4約 150〜250
硬度はやや不十分
約 500〜600
エナメル質に近い硬度
約 1,200〜1,300
とても硬い
適応部位小〜大臼歯前歯・小~大臼歯奥歯・ブリッジ・インプラント
その他の特長院内で即日製作・装着も可能自然な透明感、色調再現に優れる金属に近い強度で割れにくい

補足🔍

  • *4 ビッカース硬度(Vickers Hardness)は、素材の表面硬さを示す指標です。
  • 硬ければ硬いほど摩耗しにくいですが、対合歯を傷つける可能性もあるため、適材適所での選択が重要です。
  • イーマックスは自然歯に近い硬さで、審美補綴に適しています。

🦷セラミック素材まとめ

🦷セレック(CEREC)

  • 即日治療が可能なCAD/CAMシステム
  • 院内のスキャナーとミリングマシンで製作
  • 素材はセラミック(ブロック)
  • 色彩のグラデーションがつけられないので審美性に劣る

🦷イーマックス(e-max)

  • ガラス系セラミック(リチウムディシリケート)
  • 自然な透明感・審美性が高い
  • 強度も十分あり、前歯〜大臼歯すべての歯に最適
  • 微細な形や色の再現が可能で、審美歯科で人気
  • 審美性・強度のバランスが良く、セラミック治療の第一選択といえる

🦷ジルコニア(Zirconia)

  • 人工ダイヤモンドともいわれ、非常に高い強度だが、エナメル質と比べて硬すぎるともいえる
  • 割れにくく、奥歯や力のかかる場所にも適応するのでブリッジやインプラントに用いられる
  • 見た目もセラミックに近く、白さも調整可能だが、透明感に欠ける。

症例~前歯のオールセラミック治療~✨

🦷自然な透明感を再現する「イーマックスセラミック・レイヤリング法」


イーマックスセラミックは高い審美性を誇る素材です。なかでも「レイヤリング法」を用いることで、前歯特有の自然な透明感や繊細な色調を細やかに再現できます。天然歯に限りなく近い美しい仕上がりを実現します。

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主訴:上前歯の変色歯が気になる
→上前歯2本 イーマックスセラミック(レイヤリング)治療+土台の再治療
料金:40万円
治療期間:4か月
主訴:前歯変色と金属色ラインが気になる
→上前歯4本 イーマックスセラミック(レイヤリング)治療+土台の再治療+奥歯セラミック治療
料金:85万円
治療期間:6か月
主訴:前歯の形と金属色ラインが気になる
→上前歯6本 イーマックスセラミック(レイヤリング)治療+土台の再治療
料金:120万円
治療期間:6か月
主訴:上前歯の被せ物が変色してきた
→上前歯4本 イーマックスセラミック(レイヤリング)治療
料金:75万円
治療期間:3か月
主訴:上前歯の金属色ラインが気になる
→上前歯2本 イーマックスセラミック(レイヤリング)治療+土台の再治療
料金:40万円
治療期間:4か月

以上のように、メタルフリー素材にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴や適応があります。治療直後の見た目だけでなく、5年後、10年後の予後も見据えたうえで、納得して選択することが大切です。

「グランティース武蔵小山歯科」は、金属を使わない“メタルフリー治療”にこだわり続けてきました。当院では、患者さん一人ひとりのご希望やお口の状態を丁寧に確認し、適切な素材・治療法をご提案しています。気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

✨自由診療に関するご案内(セラミック治療)

当院でご提供しているセラミック治療は自由診療(保険適用外)です。
そのため、以下の内容をご確認いただき、ご理解・ご納得いただいた方を対象に治療を行っております

🔶 治療内容

セラミック治療とは、虫歯や欠損部などに対して、金属を使用せずにセラミック素材の詰め物・被せ物を使用して修復を行う治療です。
見た目の美しさだけでなく、金属アレルギーのリスク軽減や、汚れがつきにくいといった特性を活かし、機能面と審美性の両立を目指します。
当院では、専門の歯科技工士と連携し、一人ひとりに合わせた完全オーダーメイドのセラミックを製作しています。

🔶 治療期間・通院回数

治療期間は、症例にもよりますが、通常2~3回の通院(約2〜4週間)で完了することが多いです。
ただし、神経の治療や歯周病治療が先に必要な場合は、治療期間が延びることがあります。
カウンセリング後に、治療計画・費用・通院回数の目安をしっかりとご案内いたします。

🔶 リスク・副作用

セラミック治療には以下のようなリスク・副作用があります。
虫歯や歯周病がある場合
 土台となる歯に虫歯や歯周病がある場合は、事前に治療を行ったうえでセラミック治療を進めます。
神経への刺激
 深い虫歯の処置では、治療後に神経が過敏になり、一時的にしみたり違和感が生じることがあります。まれに神経の処置(根管治療)が必要となる場合があります。
破損の可能性
 セラミックは耐久性の高い素材ですが、強い衝撃や歯ぎしりなどによって欠けたり割れることがあります。必要に応じて、ナイトガード(マウスピース)の使用をご提案します。
噛み合わせの調整
 装着後に高さの違和感を覚えることがあり、数回の調整が必要な場合があります。

''変わりたい''が動き出すセラミック治療
『セラミック治療』のページはこちら

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参考🔍
*1 比重(ひじゅう)とは、ある物質の密度(質量÷体積)を基準となる物質の密度と比較したものです。歯科や材料の分野では、通常「水(4℃)の密度=1g/cm³」を基準にして計算されます。
*2 弾性係数とは、力が加わったときの「しなりにくさ」を示します。

組織・材料比重(g/cm³)弾性係数(GPa)
エナメル質約 2.8 ~ 3.170〜90 GPa
象牙質約 2.1 ~ 2.2約 15〜20 GPa
歯髄(軟組織)約 1.0 ~ 1.1約 0.002〜0.005 GPa
金銀パラジウム合金(クラウン用)約 10.0 ~ 12.0約 90〜120 GPa
銀合金(コア用)約 10.0〜11.5 g/cm³約 40〜60 GPa

*3 金属結合の性質(高弾性・剛性)が破折リスクを高める「間接的な原因」になると考えられています。

*4 硬度(エナメル質との比較)※ビッカース硬度(Vickers Hardness)は、素材の表面硬さを示す指標です。

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素材硬さの目安(ビッカース硬度**)特徴・備考
エナメル質約 300〜500 HV自然歯の最も硬い部分。過剰に硬い補綴物は対合歯を傷つける可能性あり。
イーマックス (e.max)約 500〜600 HVガラスセラミック。審美性と強度のバランスが良い。自然歯に近い硬さで対合歯にも優しい。
セレック約 150〜250 HVエナメル質よりやや軟らかい。即日対応可能な利点あり。
ジルコニア約 1,200〜1,300 HV非常に硬い。しかし硬すぎて対合歯を摩耗させるリスクもある。

*参考文献
1. 眞坂信夫「垂直破折歯根の接着治療」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ajps/6/1/6_20/_article/-char/ja
掲載誌:日本補綴歯科学会誌(The Journal of Prosthetic Dentistry, Japan)
2. 峯篤史「歯根破折防止策の文献的考察」
https://researchmap.jp/read0126981/published_papers/18005596
掲載誌:日本補綴歯科学会誌
3. Factors Influencing Vertical Radicular Fractures in Teeth Supported by Metallic Dental Core: A Scoping Review
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC11044889
掲載誌:Journal of Clinical Medicine(英語論文)

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