マイクロスコープ導入医院はわずか7%未満!まだまだ少ない精密治療の実情

「歯を残したい」という思いと、現実のギャップ
「この歯、もう抜くしかないんですか?」
「治療したはずなのに、また痛みが出てきた…」
歯科医院でよく耳にする患者さんの声です。
多くの方が共通して望んでいるのは、できるだけ歯を削らず、できるだけ長く自分の歯を残すこと。
私も歯科医として診療する中で、こうした希望を叶えるためには治療の精度が非常に重要だと痛感します。
ほんのわずかな虫歯の取り残しや、根管治療の小さな不十分さが、再発や抜歯につながることもあるからです。
そこで注目されているのが、マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を用いた精密治療です。
肉眼では見えない細かな部分まで拡大し、明るい視野で治療を行えるため、治療の正確さが格段に高まります。
しかし、ここで大きな問題があります。
それは― マイクロスコープを導入している歯科医院は、全国でわずか7%未満しかないということ。
つまり、10軒に1軒も導入されていないのが現実なのです。
なぜマイクロスコープ導入医院は少ないのか?

日本の導入率はわずか7%未満
現在、日本にある歯科医院はおよそ 7万軒。
しかし、その中でマイクロスコープを導入している医院は推定で数千軒程度にとどまり、割合にすると 7%未満 とされています。
つまり、10軒のうち9軒以上の歯科医院ではマイクロスコープを使った治療が行われていない、というのが現状です。
国際的に見ても、マイクロスコープ導入は欧米より遅れており、日本国内の歯科医院の多くは未導入という状況が続いています。
なぜ導入が進まないのか?
では、なぜこれほどまでに導入が少ないのでしょうか。
理由は大きく分けて3つあります。
1. 高額な設備投資
マイクロスコープ本体は1台で数百万円以上。
さらに診療室のレイアウト変更や補助機器も必要になり、医院にとっては大きな負担となります。
2. 技術習得のハードル
マイクロスコープをただ「持っている」だけでは意味がありません。
拡大視野での治療には、細かい手技・正確な判断力・慣れが必要です。
そのためには時間をかけた研修や臨床経験が不可欠で、誰もがすぐに使いこなせるわけではありません。
3. 診療効率への影響
精密治療はどうしても時間がかかります。
1日あたりの患者さんの数をこなす診療スタイルをとっている医院にとっては、効率面での負担が大きくなり、導入に踏み切れないケースがあります。
マイクロスコープがもたらす精密治療の価値

マイクロスコープは歯科用の顕微鏡で、最大20倍以上に拡大し、さらに強力な光で口腔内を照らすことができます。
これにより、肉眼では確認できない細部まで把握でき、治療の精度が飛躍的に高まります。
具体的なメリットは次の通りです。
- 根管治療の精度向上
複雑な根管内部を正確に確認し、感染源を徹底的に取り除けるため、再発リスクを大幅に減らせます。 - 虫歯治療で健康な歯を守る
感染部分だけをピンポイントで除去できるため、健康な歯質を削る量を最小限に抑えられます。 - 補綴物(詰め物・被せ物)の適合精度向上
境目の段差や隙間を減らし、二次虫歯や再治療のリスクを軽減できます。
これらの積み重ねが、歯を長く健康に保つことにつながるのです。
拡大鏡とマイクロスコープの違い


歯科医院によっては「拡大鏡(ルーペ)」を使用している場合もあります。
当院でも使用しており、眼鏡型で2〜8倍程度の拡大が可能です。肉眼よりも見やすくなるのが特徴です。
一方、マイクロスコープは最大20倍以上の拡大と強力な光源により、歯の内部の細かい亀裂や神経の位置まではっきり確認できます。
つまり、
- 拡大鏡:肉眼よりも見やすくする「補助ツール」
- マイクロスコープ:精密治療を可能にする「医療機器」
という明確な違いがあります。
現状の問題点|患者さんが知らない精密治療の希少性

多くの患者さんは、歯科医院で行われる治療を「どこも同じ」と考えがちです。
しかし、マイクロスコープを使った精密治療を受けられる医院は非常に限られており、設備や技術の差が治療の質に直結します。
具体的には:
- 根管治療の再発率
- 虫歯の取り残し
- 歯を削る量の違い
これらは、マイクロスコープの有無で大きく変わることがあります。
言い換えれば、精密な設備と技術を持つ医院で受けるかどうかで、歯の寿命が変わるのです。
それでも必要とされる理由
「導入している医院が少ないなら、別に受けられなくてもいいのでは?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、マイクロスコープを用いた精密治療は、コストや時間以上の価値を患者さんにもたらします。
- 根管治療
複雑な根管内部を拡大視野で確認できるため、感染源を徹底的に取り除くことができ、再発率を大幅に減らせます。 - 虫歯治療
健康な歯を最大限に残しながら、虫歯の取り残しを防ぐことが可能です。 - 補綴治療(詰め物・被せ物)
適合精度が高まり、二次虫歯や再治療のリスクを抑えられます。
結果として、歯の寿命を大幅に伸ばせるのがマイクロスコープ治療の真価です。
例えば、根管治療においては、マイクロスコープを使用した場合と使用しない場合で、再発率に2〜3倍の差が出るという報告もあります。
導入率がまだ7%未満と限られている現状だからこそ、マイクロスコープでの治療を受けられるかどうかが、将来の歯の健康を左右する大きなポイントになるのです。
当院の取り組み|グランティース武蔵小山歯科の精密治療

だからこそ、グランティース武蔵小山歯科ではマイクロスコープを導入し、精密治療を行っています。
- 根管治療では、複雑な根の形や微細な感染部も見逃さず除去
- 虫歯治療では、健全な歯をできるだけ残す精密な削り方
- 被せ物や詰め物も、精密に適合させて再治療のリスクを最小化
さらに、患者さんには目で見てわかる説明も行い、納得いただいた上で治療を進めています。
これにより、歯を長く守りたい方に最適な治療を提供することが可能です。
行動|精密治療を受けたい方がとるべきステップ

精密治療は、歯を長持ちさせるために非常に有効です。しかし、マイクロスコープを導入している医院はまだ少ないため、患者さん自身が適切な選択をすることが大切です。
1. 導入医院かどうかを確認する
ホームページや院内の紹介で、マイクロスコープを導入しているかどうかをチェックしましょう。
実際に導入している医院であれば、根管治療や虫歯治療の精度が大きく変わります。
2. 治療内容や精度を確認する
カウンセリングで「どのような精密治療が可能か」「再発リスクはどう抑えられるか」を確認してください。
質問することで、医院の技術レベルや治療方針を把握できます。
3. 納得した上で相談・予約する
不安や疑問を解消した上で、治療の相談や予約を行いましょう。
精密治療は歯の寿命を左右する重要な選択です。焦らず納得できる医院で治療を受けることが大切です。
まとめ

- 日本の歯科医院でマイクロスコープを導入しているのは約7%未満
- 導入が少ない理由は、高額な設備費・技術習得のハードル・診療効率
- マイクロスコープを使った精密治療は、歯を長持ちさせる価値が高い
- 患者さん自身が設備・技術・治療内容を確認して選ぶことが重要
✨未来への希望
日本の歯科医院でのマイクロスコープ導入はまだ少ないですが、私は今後さらに増えていくことを切に願っています。
精密治療の価値を多くの歯科医師が理解し、患者さんが安心して高度な治療を受けられる環境が整うことが、日本の未来の歯科医療にとって非常に重要です。
一人でも多くの患者さんが、自分の歯を長く守り、快適な生活を送れるように。
そのために、私たち歯科医療従事者一人ひとりが、精密治療の普及に努めていくべきだと考えています。
▼当院の精密根管治療(マイクロエンド)については以下をご覧ください

▼「治療した歯がまた痛む」「歯をできるだけ残したい」とお考えの方へ
以下のページもぜひご覧ください。
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